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海外に10年在住後帰国。2020年に男の子のたーくんを養子に迎えました。子育てと普段の生活を面白おかしくつづります。
ヘルシンキの研究所
2005年05月04日 (水) | 編集 |
私の働いているヘルシンキの研究所について今日は紹介。

この研究所はヘルシンキ大学内にあるのだが、運営はヘルシンキ大学、ヘルシンキ工科大学、ユバスキュラ大学の3つで運営されている。研究内容はそれなりに広くて、私の専門である素粒子理論はもちろん、宇宙論、レーザー、量子光学、核物理、素粒子実験、バイオなどに渡っている。しかし、物性についてはないようだ。そういった内容は研究所ではなく大学のほうで力を入れているのかもしれない。

研究所は物理学科の建物中にあるのだが、他に化学、数学の建物もある。他の学部はヘルシンキの他の場所にあるようだ。この建物は4年前にできたもので、そのため非常にきれい。デザインもモダンで設備も近代的。学生用の部屋と教授、ポスドク用の部屋に分かれていて、学生の部屋が一番密度が高く、ポスドクの部屋は一部屋あたり、一人か二人でかなり広め。机の面積も大きい。部屋によっては近くにある海を眺めることができる。私の部屋からも少し見ることができよい気分転換になりそうだ。また、建物内には休憩スポットがいくつかあって、机といすがおいてある。夏になると気持ちよさそうな場所がいくつかあるので利用したいなあ。天井は採光式で建物内は明るくてよい感じ。セキュリティー面では至る所にマグネットキーがあって、昼間は良いが、夜になるとマグネットキーがないとドアを開けることができず、自由に移動できない。また、キーによっては開かないドアもあり、開くドアを捜し求めて行ったりきたりすることもある。

建物内では研究所のエリアと物理学科のエリア、コンピュータ管理者のエリアが、ごっちゃになっていていまいちどこに誰がいるのか把握しにくい。かくいう私も所属は物理学研究所であるが、部屋は物理学科のポスドクと一緒の部屋である。教授陣も建物の中でごっちゃに混ざっているのでなかなか把握できなかったが、最近やっとどこに誰がいるかだいたい把握できた。素粒子理論(現象論は除く)の先生方は、Kari Enqvist 先生、Esko Keski-Vakkuri 先生、私のボスの Masud Chaichian先生、そして長期滞在で来ている Ulf Lindstrom 先生(どういうわけか研究所にはほとんど来ない)である。フィンランドで一番の研究所らしく有名な先生が多いのだが、昨日、もう一人有名な人がいることを発見(部屋が離れているし、研究所のホームページにも名前がなく、物理学科のページに出ていたのでわからなかった:-))。Olive-Montonen duality で有名な Montonen 先生である。昨日ボスと飯を食べているときに彼の話題が出て「知ってるか?」と聞くので、もちろん知っているがなんでそんなことを聞くんだというと、ここの人間という話ではないか。考えてみれば~nenというのはフィンランド人の名前だ。Mika Hakkinen, Ahonen などなど。

「そうそう、Chaichian とかね」

と私のボス。いやいや、"n"しかあってないし、あんたはイラン人でしょ。食事の後、少し Montonen さんと話をしたが、とても温和そうでよさそうな人でした。非常に賢い人のようなので、いろいろ聞くことにしよう。

というわけでこの研究所かなりよい場所なので、2年間頑張って仕事をしたいと思います。これから楽しくなりそうだにゃ~。